ヴィンテージデザインのロゴ作成をするメリットや向き不向き

ロゴ7

企業やブランド、商品などのロゴを決めようというときにヴィンテージデザインに興味を持つこともあるでしょう。ヴィンテージデザインには確かに高い人気がありますが、本当にそれで良いのでしょうか。ヴィンテージデザインにするメリットやデメリットに加え、ロゴ作成をする上でのポイントを紹介するので検討材料にして下さい。

名刺にロゴを入れたい!ロゴ作成の役割と注意点

ヴィンテージデザインとは何か

ヴィンテージデザインについて漠然としたイメージを持っているものの、具体的にどういうデザインなのかと聞かれると説明するのが難しいという人も多いでしょう。ヴィンテージデザインには明確な定義があるわけではないですが、一般的にはある程度の年月が経過したことによって味わい深さや趣のある様子がにじみ出てきたデザインのことを指します。

年代的には数十年前くらいをイメージすることが多く、古くても100年程度前の時代のデザインを意味するのが通例です。そのため、アンティーク風、レトロ風などとも言われることがあるものの、ヴィンテージ風というとアンティーク風やレトロ風に比べて格式が高く、高級感があるのが特徴です。

ヴィンテージというのはワイン文化の中で生まれてきた言葉で、本来はブドウの収穫から始まってワインがボトルに収められるまでのプロセスを意味していました。その派生でワインに使用したブドウの収穫年を意味するようになり、特別に良質な出来栄えだった年のワインのことをヴィンテージワインと呼ぶようになっています。

ワインは寝かせて最良のタイミングで開けて飲むのが良いという文化があり、十数年から数十年くらい前のワインが愛でられるのが特徴です。その結果としてヴィンテージも少し前の時代に高く評価されていたものが、年月を経てさらに優れていると認識されるようになったときに用いられています。

ただ、実際にはヴィンテージデザインというと数十年前の画風を真似て作ったデザインを全般的に指すようになってきています。基本的にはモノクロで一つ一つのオブジェクトやイラストがはっきりとしているのが基本で、曲線よりも直線を主体として飾りつけをしたり、オブジェクトを描画したりするのが一般的なアプローチです。

また、幾何学的に計算された配置が好まれるのも特徴で、文字を一直線に並べる以外にも円形に並べたり、円弧の一部に沿うように配列させたりするのもヴィンテージデザインとして親しまれています。

ヴィンテージデザインのメリット

ヴィンテージデザインでロゴ作成をするメリットはシンプルで1からでも作りやすいことです。基本的にはモノクロの2色しか使わないのでオブジェクトやイラストを黒1色で書いていくことになります。使用するフォントも単純なゴシック体などを使うのがヴィンテージデザインに見えるようにするコツなので、1文字ずつ丁寧にイラストとして描いていく必要はありません。

オブジェクトも象徴する部分を目立たせるようにはっきりとシンプルに描けばヴィンテージ風に見えるでしょう。構図の幾何学性だけはセンスが必要な部分ですが、他の例を参考にしながら作ってみると意外に簡単にできたという人が多いのも特徴です。

ヴィンテージデザインのデメリット

ヴィンテージデザインのデメリットはロゴを通して伝えたいイメージを表現しにくい場合が多いことです。ブランドネームや商品名を文字にして盛り込むのは簡単で、サイズや文字の並べ方などを工夫することではっきりと相手に伝えることができます。

しかし、ヴィンテージデザインではカラーを使えないので赤色で情熱を伝えたい、緑色で自然のイメージを感じてもらいたいといったことが困難になりがちです。もともとブランドカラーがある場合には、カラーなしでブランドイメージを伝えなければならないという大変さがあります。

線を駆使していかにイメージを膨らませることができるかがロゴの良し悪しを分けることになるでしょう。

ヴィンテージデザインに合うもの

ヴィンテージデザインには合うものもあれば合わないものもあります。老舗の和菓子屋といった場合には古風なイメージがもともとあるのでモノクロのデザインがマッチしやすいでしょう。そこで昔ながらの作り方で和菓子を手作りしているというのであればイメージとマッチしやすくなります。

また、古民家を使ったカフェやレストランを経営するようなときにもイメージに合いやすいでしょう。この他にもアンティークショップやバーなどでもヴィンテージデザインをうまく使うと良い印象を持ってもらえると期待できます。

シニア向けの製品に使うのも良い効果を示す可能性があるでしょう。

ヴィンテージデザインに合わないもの

ヴィンテージデザインに合わないのは新しいものを売り出すケースです。パソコンショップなどのようにIT機器や家電などにはあまり合いません。家具も古風の家具であればマッチしますが、最新のプラスチック製の軽量家具を取り扱っている場合にはイメージがかけ離れてしまうでしょう。

ブランドの場合にも古い歴史を持っているブランドがロゴマークとして使用するのであれば効果的です。しかし、古いブランドでも新しいコンセプトで商品を作り、そのロゴとしてヴィンテージデザインを使うとミスマッチを起こしてしまうので注意しましょう。

基本的には古風なイメージがあるものにしかヴィンテージデザインは向かないのです。

ヴィンテージデザインでロゴ作成をするコツ

ヴィンテージデザインでロゴを作るときには全体像をまずは考えるのが大切です。盛り込みたいオブジェクトとテキストを決めてしまい、全体像を象るように配置しましょう。特にオブジェクトは必要ないという場合にはテキストをきちんと決めて位置を定め、周囲に線や円を使って飾りを付けていきます。

全体像を先に作っておくとオブジェクトとテキストの位置関係、あるいはテキストと飾りつけの関係について候補がいくつかに絞り込まれるでしょう。スムーズにデザインが決まりやすくなることに加え、数が少ないので試しに一通り描いてみて比較するのも比較的簡単です。

ヴィンテージデザインの良し悪しを考えて使おう

ロゴ10

ロゴ作成のときにヴィンテージデザインを選ぶのは古風なイメージを盛り込みたいのであれば効果的です。あまり新しいものを扱う企業や商品、最近のブランドなどには向かないので気を付けましょう。ただ、簡単に作れるのがヴィンテージデザインのメリットなので、試しに作ってみて合うか合わないかを考えてみるのも良い方法です。